そもそも、糖尿病の来歴
実はもちよ、三年前に子宮筋腫が見つかって、3月に手術をすることになったんです。
その準備のための検査中に、主治医から「糖尿病が強く疑われる」と言われてしまいました。
実際、入院中の食事は糖尿病食だったし、糖尿病がある人向けのリスク一覧的なものも渡された。
けど、もちよ、それを信じたくなかった。
表面上は医師の指示や忠告に諾々と従っていたが、心の中では「糖尿病である自分」がぜーんぜん、受け入れられていなかった。
暴飲暴食とおデブ、その結果として糖尿病になってしまったことは十分自覚していながら、恥ずかしい気持ちが勝って、どうしてもこの現実から目をそらしたかったんだなぁ。
「糖尿病は贅沢病」
「好き放題の生活習慣をしてきた結果だから、自業自得」
「自己管理ができてない、だらしない人がかかる病気」
「恥ずかしい病気」
そんな心の声が、私の中にも、あった。
そしてそれらはすべて事実を述べているに過ぎないのが、これまたつらい。
子宮筋腫の手術がおわり、退院し、定期通院の最後の日。
主治医は「これからは糖尿病の治療に移って下さい」と言ったけど、わたしは1年間、通院をしなかった…。
旦那にさえ、病気の事実は「疑いだってー」っていうレベルでしか打ち明けられなかった。
翌年6月の学校の定期検診でも、案の定指摘され、病院にかかれと強く言われた。
でも、病院にかかる勇気がなかった。
糖尿病が確定してしまうのが怖かったから。
何もかも、普通の女の子と同じ自分でいたかった。
どうしても自分が糖尿病であることから目をそらしたかった。
結局、そんな自分をなんとかして近所の専門医まで連れていけたのは、翌年2月のある日だった。
このままじゃだめだ、と思ったから。
かなり勇気を振り絞ったと思う。自分的には!
病院ではやはり糖尿病の確定がおりた。先生の申し訳なさそうに言い出す姿を、よく覚えてる(´×ω×`)
その日から、ダイエットと服薬治療を進めることとなった。
9月までは順調に進んだんだ 。
糖質制限と夕食の減量で10kg痩せることが出来たし、ヘモグロビンA1cの数値も6.2%くらいに落ちてきた。
でも、9月から体重は減らないどころか逆に増え。
それによって気持ちも切れてきてしまって、わたしは通院をしなくなってしまった。
頭の中では常に不安が渦巻いていたのに、1度行かなくなると行きづらくなってしまって、薬も切れたまま、半年近く飲まない日々だった。
でもやっぱりだめだ、恥をしのんで通院を再開しよう!
そう思って再度病院に行ったのが、今年の5月頭。
ヘモグロビンA1cは7.7まで上がってしまっていた。
先生は「高いね…。でも、これからまた一緒に頑張りましょう!」と励ましてくれた。
私も自業自得のくせにショックだけはいっちょ前に受けつつも、ここからまた頑張ろうと思った。
糖尿病で怖いのは合併症。
合併症を抑えるために必要なラインは、ヘモグロビンA1c7.0%以下。
よし、ここからだ!がんばろう!と思っていた6月頭。
妊娠が判明することとなる。
どうなる!?もちよ!?
妊娠の判明!
忘れもしない6月9日の夜。
なんとなんとなんと、わたくしはまぶきもちよ、まさかの妊娠が判明しました!!
なんとなーく、ここ最近体調が悪い。
風邪のような熱っぽさが治らない、ってのが続いてた。
6/3の山形旅行までには絶対治すからね、みたいなラインの履歴も残ってる(笑)
今思えばベタすぎるほどのイントロダクションだけど。
まさかその時は、腹の中にややこが着床してるだなんて思いもせず、ガンガン風邪薬を飲んでいた(怖っ)。
その後、山形旅行から帰ってもやっぱり微熱を引きずってる感じ。
生理も来そうで来ない状態がもう10日ほど続いていた。
たまたま旦那と晩ご飯を食べに行った店で、たまたまその話を出したわたし。
もちよ「そういえば、まだ生理来ないよー。来そうな症状はあるのにー。」
旦那「へー。それはあれですか奥さんwww」
もちよ「あれですかなwwwまさかまさかwwwひとつ調べてみますかwww」
みたいな会話を、ほんとに何の予感もなく冗談として交わす夫婦。
帰り道にドラッグストアに入り、そのくらいの軽い冗談程度なら、今までならば絶対に買わなかったであろう検査薬を買いに行ったのが、これまでとの違いといえば違いかなぁ…
で、帰宅後さっそくおトイレに。
ろくに説明書きも読まずに、とりあえず線が2本出れば妊娠だということだけ認識して、おしっこかけて、すぐ裏返す。
先端に近い方に1本目の線がすぐ入ったのは見えたけど、2本目が入る前に裏返した。
せーの、で一緒に見たかったから(^-^)
裏返したままトイレから持って出て、旦那にレクチャー。
もちよ「これね、線が1本だったら腹に子はいないよ。2本だったら、いるんだよ!」
せーの。
くるっ。
に、2本…。
結婚して12年、これまでまったくできる気配がなかったところに、まるで青天の霹靂のように訪れた「陽性」の衝撃。
たっぷり5分は固まった。
そのあと、ようやく出た言葉。
「どうしよう」
その理由は、2つありました。
ここから、ちょっとだけ、まじめな話。
ひとつは、糖尿病。
私は三年前から糖尿病を患っていたことと、血糖コントロールが不良であること、そして極端な肥満があることから、これは妊娠したとしても継続は許可されないんじゃないかと、すぐに思ったわけです。
もうひとつは、仕事。
もし妊娠継続の許可が下りたとしても、きっと入院になるだろう。
現在、高校3年生の担任をしている私が、出産まで入院するとなると、それは自分のクラスの生徒をほっぽり出すのと同じになってしまう。
授業も、補習も、進路指導も、センター試験も、卒業式も、全部誰かに代わってもらわなくてはならなくなる。
生徒も急な担任交代は多かれ少なかれ動揺するだろうし(うぬぼれかなぁ)、保護者はきっと「計画性のない先生…」と思うだろうな。
去年からずっと担任してて、超大変だったこととかいっぱいあったけど、それでも途中で投げ出せばそんな手柄はあっさり、忘れ去られるだろう。
2本くっきり線が浮かんだ検査薬を手にしながら、もちよは動けなかった。
なんで今…という気持ち。
間違いであってくれたらどんなにほっとするかと思う気持ち。
これからどうすればいいのかと思う気持ち…。
もともと子供がそんなに好きではなく、結婚してからも1回も欲しくなったことがなかった私。
旦那とも、「こどもは神様からの授かりものだし、不妊治療とかではなく、まあ出来るなら出来るだろうし、出来ないなら出来ないでいいから、運命に任せよう」と言い合っていた。
でも、もし授かったときにはまず喜びの声をかけてあげよう、そんな風にも思っていたんだけど、現実は思うようにはいかなかった。
土曜の昼になんとか時間を作って主治医のところに行ったけど、やはり大きな総合病院にかかってくれと言われた。
そして月曜の今日、仕事の手配をつけて病院にやってきた。
問診を済ませ、現在診察待ちです。
何を言われるんだろう。
お腹の子は、わたしは、これからどうなるんだろう。